ヌシ・べ→アンキフィ→ディエゴ・スアレス〜所持金120円になり闇両替やカジノまで利用するハメに〜

エル・ヴィルのフェリー乗り場
エル・ヴィルのフェリー乗り場

 

エル・ヴィル滞在3日目、今日ディエゴ・スアレスに向けて出発する。しかしこの時私には大問題が起きていた。

 

ホテル代を払ったら所持金のマダガスカルアリアリが日本円で120円になった。勿論ドルと円、それにクレジットカードがあるので正確にはお金はあるのだが、それらはここでは使えないので両替かキャッシングをしないと何も出来ない。

 

何日も前からそのことに気付いていたが、ヌシ・べでは両替所もキャッシングの場所も見つからなかったので無くなってから真剣に探せば良いくらいの気持ちでいた。

 

いざなくなりホテルで聞いてみると(英語は通じないのでプリントアウトしたマダ語を見せながら)、今日は土曜日だから何処もやってないと言う。私が本当に困っているのが分かるとホテルの前でたむろしている男達にも何とかならないか聞いてくれた。

 

するとその中の一人が知っているということで、彼に付いて行くことになった。彼が案内してくれたのは宝石商のお店。そこにいた若い女性に事情を話すとドルを両替してくれることになったのだが、そのレートは銀行の半分くらいにしかならないあまりに酷いものだった。

 

闇両替のお姉さんも自分以外頼る人がいないことは分かっているから、もう少しおまけしてといくら言っても聞いてくれない。金を捨てるような行為だったがいくらだろうと両替しない限り生きて行けないので、泣く泣く1日分の食費、交通費、宿泊費に足りるくらいの額だけ交換した。

 

少し時間が掛かってしまったが、お金を手に入れたその足でフェリー乗り場へ直行した。ヌシ・べのエル・ヴィルを出てマダガスカル本島側の町アンキフィまでのフェリーチケットを買うつもりだったが、アンキフィからディエゴ・スアレスまでのバスもセットになったチケットがあると言われてそちらを買うことにした。

 

マダガスカルには時刻表がないのでいつ出発するか分からない、ここでもかなり長い時間待たされた。お昼過ぎに出発してアンキフィに着くと私以外の乗客はすぐにいなくなってしまった。この時私は間違いに気付いた、アンキフィに着いたらいろんな方面へのバスが並んでるのだろうと思っていたのだが、バスなんて1台もなかった。受付らしき所もない。バナナを売っている露天商くらいしかない。

 

途方に暮れていると4人の男性が車に乗って現れた。英語が通じたので彼らにチケットを見せながらバスは何処か聞いてみると、1日1便で今日の便はもう出発したから次は明日だと言う。エル・ヴィルの受付ではそんなこと一言も言われなかった、これから行っても間に合わないことを知ってて売りつけたのだろうか。仕方ないので何処か泊まるとこはないか聞いてみたのだが、アンキフィに宿はないという返事が返ってきた。

 

私は急に腹が立ってきて、戻ってお金を取り返すと言った。すると車の運転手がこれから一人でディエゴ・スアレスに行くからお金を払ったら乗せて行くと言う。しかしその金額は私が払ったバスと比べるとかなり高かったので断って、俺は戻るんだと喚いていたら料金がどんどん下がったので結局悔しかったが乗せてもらう事にした。

 

お金を無駄に払って又一つ教訓が出来たが、結果としてぎゅうぎゅう詰めのバスに乗るよりは快適な移動になった。

 

彼らは最初私を見てジャッキーチェンと言ってきたので、日本人だと言うとサッカーの中田と言ってきた。マダガスカルのアジア代表はジャッキーで、日本人代表は中田なのだろうか。だとしたら中田英寿ファンの私としては嬉しい。

 

 

 

 

途中休憩した場所では子供達が街頭テレビに見入っていた。きっと裕福な家庭以外テレビはないのだろう。昔の日本もこうだったんじゃないかな。  

アジアの女の子がプリントされている服を着たこの子は、ずっと私の前で写真を撮られたがってくれたので、期待に答えました。友達も含めとっても可愛い子達でした。
アジアの女の子がプリントされている服を着たこの子は、ずっと私の前で写真を撮られたがってくれたので、期待に答えました。友達も含めとっても可愛い子達でした。

 

どうやらこの車は白タクのようなものだったらしく、途中4人の客を乗せたり降ろしたりして、最後に私の希望通りディエゴ・スアレスの安宿で降ろしてくれた。

 

宿は良かったのだが、余分な出費のせいで又所持金が無くなってしまった。めちゃめちゃお腹が減っていたが1食分も手持ちがない、何より後払いだから泊まれたが、宿代もないのだ。

 

土曜の夜なのでどう考えても両替出来る場所などなさそうだが、エル・ヴィルに比べれば都会なので一縷の希望を持って真っ暗な街を歩き回った。

 

それらしき所はやはりどこも閉まっていたが、その時1軒のカジノを見つけた。藁をもすがる思いで店に入り、フロントで聞いてみるとオーナーを呼ぶという。現れたオーナーは50代くらいの白人男性で、いかにも裏社会の人間というオーラを醸し出していた。終止厳しい表情を崩さない彼に事情を説明すると、ドルとの両替は可能だと言う。レートに関しては諦めていたが、銀行よりは勿論悪いけど昼間のお姉さんよりは全然マシだった。一度も笑顔を見せなかったが、このおじさんは悪い人じゃないのかもしれない。

 

それにしても、その国のお金がないことがどれだけ大変なことか、身にしみて分かった。円もドルもカードも、使えなければ何も持ってないのと一緒なのである。

 

宿泊:SUFFREN HOTEL

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background picture : Madagascar nosy iranjaマダガスカル ノシ イランジャ

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